「英語絵本の読み聞かせを続けられない」その大きな原因となるのが、子どもが読み聞かせを聞いてくれない ということ。
「子どもが絵本に興味を示してくれない」、「読み聞かせをすると嫌がる」というようなお悩みは、英語・日本語に関わらず、絵本の読み聞かせではよくあることです。
そんな時には、ぜひ、これからご紹介するポイントをチェックしてみて下さい。
読み聞かせが『楽しい時間』になっていますか?
もし、お母さんが『義務感』で読み聞かせをしているとしたら、子どもにとって読み聞かせの時間を楽しいとは感じられなくなってしまいます。
たとえば、お子さんが挿絵から何かを連想してお母さんに質問したり、自分の思ったことをお話ししようとしているのに「し〜っ、黙って聞いてなさい!」なぁんて言っていませんか?
最後まで読み終えることにこだわりすぎると、子どもの好奇心や興味を惹くことは難しくなります。
日本のお母さんは、読み聞かせの最中、会話をあまり挟まずに最後まで一定のリズムで絵本を読んでいく傾向があります。
いっぽう、アメリカのお母さんはお話の途中でも、読み聞かせを止めて子どもに質問をするなど、親子で積極的に会話をします。
この対話形式の読み聞かせを「ダイアロジック・リーディング」と言って、次のような研究結果が発表されています。
対話形式で読み聞かせをしてもらった子どもたちは、たとえそれが数週間という短い期間でも、言語発達能力テストで通常の読み聞かせのみの子どもたちよりも、数ヶ月リードする。(この研究の子どもたちの対象年齢は3歳前後です)
読み聞かせを「親子の楽しい会話の時間」と考えれば、肩の力を抜いて読み聞かせを続けられそうだと思いませんか?(もちろん、英語絵本の読み聞かせでも、親子の会話は日本語で構いません。)
お母さんの都合優先になっていませんか?
家事に育児、仕事など、忙しい毎日の中で、読み聞かせの時間を捻出するのは大変です。そのため、いつの間にかお母さんにとって都合の良いタイミングが優先されてはいないでしょうか。
読み聞かせが毎日の習慣となっているご家庭でも、お子さんの具合が悪い時に読み聞かせをしたりはしないと思います。同様に、お腹がすいている時、疲れている時、眠たい時間帯など、読み聞かせを避けた方が良いタイミングもあります。
また、慢性的にお子さんの鼻が詰まっていたり、体が痒かったりしたら、これもまた絵本に集中することは難しくなります。
子どもの様子を良く観察すること、体を整えてあげることなど、子育てにおいて基本となることは、読み聞かせにおいてもベースとなります。
1日にどれくらいテレビを見せていますか?
「テレビをつけたまま読み聞かせをしている」なんてことは無いとしても、普段からお子さんに長時間テレビを見せてはいませんか?
テレビの長時間視聴が、子どもに悪影響を与えるという研究結果は、数多く出されています。
1日3時間以上テレビを見る幼児は発達面に悪影響が出る可能性がある
モントリオール大学のリンダ・パガニ教授によれば、ケベック州の子どもの発達に関する長期的研究によって、幼児が1日にテレビを見る時間が長くなると、発達面に悪影響が及ぶことがわかった。
1日に3時間以上(正確には2時間52分)テレビを見ている子どもは、語彙力、数学的能力、集中力への持続性が劣り、肉体面でも虚弱で運動能力が低く、いじめを受けやすい傾向にある。基準を1時間超える毎に影響は大きくなるようだ。
テレビの長時間視聴は子どもの脳の成長に悪影響を与える
東北大学では脳画像解析と追跡調査を行うことで、テレビ視聴の小児における言語機能などへの悪影響の神経メカニズムを明らかにした。
長時間テレビを視聴することで、子どもの脳の高次認知機能に関わる領域が影響を受け、言語能力が低下する。この結果を受けて、発達期の子どもの長時間のテレビ視聴には注意するよう訴えている。
子どもがテレビと賢くお付き合いできるよう親が導いてあげることは、読み聞かせはもちろん、子どもの将来にも良い影響を与える結果となりそうです。
絵本選びにこだわりすぎていませんか?
挿絵が美しい絵本、ストーリーが素晴らしい絵本など「この絵本を我が子に読んであげたい」という親心が、子どもの興味とマッチしていないことがあります。
どんな絵本だったら子どもの心を掴むことができるのか、これはもう、こだわりを捨てて、たくさんの絵本を試してみるより他に方法がありません。
なかなか子どもが興味を示してくれないと、心が折れてしまいそうになるかもしれませんが、たとえ集中して聞いてくれなくても、子どもの耳はちゃんとお母さんの声を聞いています。あきらめずに、楽しく工夫しながら継続することが大切です。